しばしば四柱推命などの東洋占術の根本理論である五行と惑星の動きとの関係を推察しようとする動きが見られる。
西洋占星術に代表されるように、実際の惑星の動きから人間の運命を観る占術が存在するためである。
実体のある惑星によって運命を推論できるというのであれば、もしかしたら東洋占術も陰陽五行説を基本にしてはいるが、その五行という要素自体が惑星と連動しているのではないかと考えるのは極めて自然なことである。
そして五行というものも、木、火、土、金、水というのはそのまま木星、火星、土星、金星、水星に対応しているのではないかという考えも浮かんでくる。
私もそう考えた。
②吉星と凶星は木星と土星か
西洋占星術では、木星は吉星、土星は凶星と定義されているらしいので、もしかして四柱推命の吉運というのは木星の動きと関係があり、凶運というのは土星の動きと関係があるのではと思い推論してみた。
東洋の方位術の吉方位と凶方位というのも、木星や土星、その他の惑星の絡みで吉凶が決まるのではと思い検討もしてみた。
しかし、結論としてはよく分からなかった。
干支理論と惑星とは確かな因果関係があるとは思えないという結論に達した。東洋占術は西洋占星術のような実体のある惑星の動きとは別の法則により成り立っている占術なのであろうと思った。
この世には、五行と呼ばれる五つのエレメントが存在する。
そして人間は生まれた瞬間にその五行のエレメントの影響を受け、そのエレメントの法則により運命を決定づけられる。
その五行のエレメントは実際の惑星とはどうも関係が薄いような気がする。
③五惑星の動きについて
私が調べたところ、下記のようなことが分った。
①木星と土星は10年ごとに同じ位置に来て、そして相対する位置(180°の位置)に来てを繰り返す。つまり、同じ位置にあった木星と土星が10年後に各々180°相対する位置に来て、そしてさらに10年後にまた同じ位置に来る。(これは直感的に十干との関係を連想させはする)
②水星・木星・土星・金星は、出発してから59年後にほぼ同じ位置に来る。これはつまりこれらの惑星が出発する年に生まれた人が、数え年で60歳のときに、水星、木星、土星、金星が自分が生まれたときの配置になるということである。しかし、金星はややずれが大きく、ほぼ同じ位置に来ると言えるのが、水星・木星・土星である。
こう見てくると、年の干支について言えば、六十干支と水星・木星・土星・金星は一応関連があり、六十干支のそれぞれの干支はその干支特有の水星・木星・土星・金星の配置を持っているということになる。そして、それぞれの干支特有のこれらの惑星の配置を見ることにより、その干支の性質が見えてくる可能性はある。
しかし、である。
④五惑星と五行についての考え
そうなると、四柱推命は水星・木星・土星・金星(ずれがやや大きいので含めるかどうか微妙ではあるが)の四つの惑星のみで運命を推し量っている事になる。これは、西洋占星術が水星・木星・火星・土星・金星・太陽・月・海王星・冥王星・天王星という10個もの惑星を使用しているのに比べると、非常に見劣りしてしまうように見受けられる。
そして五行理論というのに、火星が含まれていない。火星については59年の周期には全く合致していなかった。また水星・木星・土星・金星が出発してから59年後にほぼ同じ位置に来ると言っても、それは、あくまでもほぼ同じ位置に来るということであって、数百年も経てば、その位置はどれほどずれるのか分らない。
例えば干支暦で言うと五百年前と現在で同じ年干支の人がいたとしても、やはり惑星の配置にズレはあるだろう。西洋占星術のように精密に惑星の位置をその都度計算しているわけではないのである。
さらに59年周期を当てはめたときに、金星の動きは含めるかどうか迷うほどにズレが大きかった。
そうすると、残るのは水星、木星、土星だけである。
木星を吉星、土星を凶星、それに水星を絡めて運命を観る。惑星の動きと四柱推命を関連づけようとすると、四柱推命はそんな単純な占術になってしまう。
だが、四柱推命がそんな単純な占術ではないことは私がよく分かっている。非常に的中率が高いということは使っていて驚くほどである。
だからこそ、四柱推命と惑星の動き(特に水星、木星、土星)とを単純に関連づけることはできないのである。
⑤五行は惑星とは別の法則
六十干支は年だけではなく、月や日、時間(刻)にも適用されている。
惑星の動きを月単位や日単位、刻単位で調べてみると何か関連が見つかるのだろうか。
しかし、もし見つかったとしてもそれで即、四柱推命を惑星の動きを単純化して構築された占術であると言う事はできないだろう。
当初は惑星の動きを観測して、その観測結果から運命を予測していたのかもしれないが、古代中国人は、そこから五つのエレメントという別の法則を発見したものであるということではないだろうか。
陰陽五行説を土台とする東洋占術と惑星の動き、および惑星の動きを読む運命学である西洋占星術との関係性を見出す事は結局は不可能であると思われる。
寄って立つ理論が違うのだから。
注)現在私は、四柱推命は気の流れを読み解く学問であると考えています。そして季節の移り変わりと気の流れは関連していると考えています。季節の移り変わりは太陽その他の惑星の動きによって変わりますので、一見惑星と五行は関係しているように思えますが実際は異なるものと思います。
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⑥小アルカナ(ワンド/カップ)の説明
⑦リーディング練習2回目 (ポイントを踏まえてタロットを読む)
⑧小アルカナ(ソード/ペンタクル)
⑨リーディング練習3回目 (総合的にタロットを読む)
<タロットの実践鑑定での使い方>
①相談内容についての情報の集め方
②未来の出来事への対処法を推測する
③相談者の悩みの原因は本当にそこなのか?
④表に出ない隠された人間関係(原因)を観る
⑤最終結果をより良くするキーカードの探り方
<講座の復習&質問>
分からない点の整理・重要な箇所の復習等
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